Shimizu Tatsuo Memorandum

きのうの話      
「きのうの話」アーカイブ目次へ

2002年12月29日
  お助けマンに来てもらって、やっとパソコンが正常にもどった。結局一週間デスクトップが使えなかった。それでも割合平然としていられたのは、もう一台ノートパソコンを持っているからである。
 ノートパソコンはいわゆる携帯型で、旅先や東京で仕事をするために買った。はじめは補助的な使い方をしていたが、文章しか打たないわたしには十二インチの画面とキーの大きさとが手ごろで、このごろは半々か六四くらいの割合で多く使っている。
 当初はウインドウズMEが入っていた。ところがこれが、じつによくフリーズした。そしてことしの春、月刊誌の短編小説を四十三枚書いたところで、処置をまちがえたわたしのミスもあって、中味を何もかも消してしまう大ポカをやらかしてしまった。さすがにこのときは泣いた。結局もとにはもどらず、すべてを一からやり直した。
 これに懲りて、札幌へ帰ってきてからウインドウズXPに替えてもらった。以来この二台を使い回して現在に至っているのだが、デスクトップは文字通りデスクに据え、ノートは坐机専用として使っている。
 ところが困ったことがひとつあった。ノートのほうにフロッピーディスクがないため、パソコン間のファイルのやり取りができないのだ。MEのときは、パソコン間のファイルをやり取りする専用コードというのを買ってきてこれを使っていた。それがXPになって対応しなくなった。接触が悪いだけかもしれないが、ときにはつながるから腹立たしいことこのうえない。そのつど神の思し召しまかせになってしまうのである。
 困って思いついたのが、ファイルをメールに添付してもう一方のパソコンに送ってしまう方法だ。さいわいかみさんの名前でもうひとつアドレスを取ってあったから、片方でそれを送り、片方で受けると、これが難なくうまくいった。
 しかしこれもけっこう面倒くさいのである。というのもいま借りているマンションが古く、モジュラージャックが居間にひとつしかないのだ。居間とわたしが使っている奥のふたつの部屋とには長い廊下が横たわっていて、これが約十メートルある。だからはじめのうちは十三メートルの長さのコードを買ってきて、これをいちいち引っ張っていってはつないでいた。その後無線で電波を飛ばすワイヤレスセットが登場してきたのでこれを導入、デスクトップのほうはそれで解決した。
 ノートのほうはそれができない。新たに子機を買いたすのもしゃくだから、メールやインターネットを使うたび、十三メートルのコードをぞろぞろと引っ張っていってはワイヤレスセットの親機につないでいた。
 なおついでにいうと、ノートでは立川のアクセスポイントを使っている。つまり東京へ帰ったとき使用しているアクセスポイントへそのままつないでいるのだ。場所が変わるたび最寄りのアクセスポイントを探し、それからアナログか、デジタルかの設定をする、というのはなんとも面倒くさいし、第一トラブルのタネである。だからこの際触らぬ神に祟りなし、札幌から立川経由でつないでいるというわけだ。
 今回ふたつのパソコンのインターネットセキュリティを更新したついでに、メモリをそれぞれ256MBにふやした。ノートのほうは電気店に持参してやってもらったが、デスクトップのほうはメモリを買ってきて自分で取りつけた。これくらいのことはできるのである。自慢にもならないか。
 そのときついでに、USB接続のフラッシュメモリというのを買ってきた。試してみると、なんとこれを差し込むだけで、ファイルがいとも簡単に移せる。フロッピーディスクよりはるかに簡単で携帯にも便利だ。そんなこと、とっくに周知だなんて言わんでもらいたい。いままでなにをやっていたんだろうと、遅まきながら目からうろこが落ちたような思いをしているのだ。
 それやこれやでパソコンもすこしは進歩していると認めてやってもいい。あとは自分の必要な機能だけ自由にカスタマイズできるようになればいうことないのだが。やればできるはずなのだ。
 とにかくマシンが快適になって、ほっとした年の瀬を迎えている。しばらくこの勢いを借りてせっせと仕事しよう(と思っている)。

2002年12月21日(12月26日入稿)
 ヨドバシカメラに行く用があったついでにソフト売り場をのぞいてみた。(よけいなことだが札幌のヨドバシは東京新宿の店、全部を合わせたよりも大きい。建物の大きさの話だが)するとインターネットセキュリティのノートン2003年版が山ほど積み上げてあった。優待版ですからダウンロードするよりお安いですよ、と言うものだからついその気になって買ってきた。いま使っている2002年版がことし一杯で更新期を迎え、ダウンロードするようメールで何度もいってきていたからだ。
 簡単にインストールできると思ったから買ってきたのだが、そうは問屋が下ろしてくれなかった。しょっぱなからインターネット・エクスプローラで引っかかった。バージョンの5.1以上でないとインストールできないという。現在使っているマシンはウインドウズ98で、インターネット・エクスプローラはこれまでいじったことがない。つまり購入したときのままだ。
 それでしようがないからインターネット・エクスプローラをダウンロードして更新、そのあとノートンをインストールした。
 問題はそのあとだ。なんだかマシンの動きが鈍くなってきたのである。とくにインターネットの画面の動きとなると確実に遅くなった。
 それでこの際、ハードディスクの掃除をしたほうがいいかもしれないと思い、スキャンディスクをして、デフラグをかけた。
 これでスッキリしたはずだった。ところが全然そうでなかった。年賀状のはがきの宛名印刷をしようとして、画面を呼び出そうとすると、これができなくなったのである。
「不正に終了されたので……」とかなんとか、文句をつけるだけで取り合ってくれない。じゃインストールをし直すまでよ、と思ってCD-ROMを入れてみたところ、今度はまるっきりディスクを認識しないのである。
 ワープロ機能のほうは正常に動いている…これもはずだった。ところがたったいま気がついたのだが、CD-ROMという英文字変換がうまくいかなくなっていた。画面に一発で出てこないのである。
 わたしがソフトをいじると、だいたいこんなふうに、いつもどこかの具合が悪くなる。この春にはノートパソコンのソフトを全部消してしまって大泣きに泣いたこともある。今回はそれに懲りて、デスクトップにしかインストールしなかった。ノートパソコンのほうは手をつけなかったのだ。たとえ片方がおかしくなっても、片方は使えるようにという配慮からである。
 ワープロ時代から数えるとわたしのパソコン遍歴はもう二十年になる。小説を書きはじめて間もなくのことで、作品からいえば五作目の「尋ねて雪か」がはじめてのワープロ制作作品だった。
 それくらいキャリアがあるにもかかわらず、いまだに初心者の域を一歩も出ていない。使っている機能はほんの一部、ワープロがパソコンになって、インターネットとメールが加わっただけ。映像、音楽、まったく使っていない。つまり筆記具として用いているだけで、それはこれからも変わることはないはずである。
 だから希望としてはもっと簡単な、インターネットが使える筆記具でありさえすれば十分なのだ。それが年々複雑になって、それに比例して使いづらさが増し、いまでは完全なブラックボックスになってしまった。こちらもわかろうとする努力を放棄してしまったから、ますます置いて行かれるばかりである。これでもMS-DOSの時代あたりまでは、必死についていこうとしていたのだ。
 開き直ったわけではないが、いまではこんなことに頭を使う気もしなくなった。ほかに使わなければならないことが山ほどあるからだ。最近は困ったらすぐにお助けマン、ことプロの専門家に来て助けてもらっている。明日あたり、また来てもらわなければならないだろう。

2002年12月24日
インターネットセキュリティのノートンを更新したら、
メールの送信ができなくなった。
じつはそのインストールの一部始終を、
21日づけの近況として書いて送ったのだが、
届いてなかったみたい。
受信はできるため、きのうまでわからなかった。
この文はちがうパソコンから送っている。
ギャハハ!(と力ない笑い)
新しいソフトを入れるたびにこんな騒ぎを起こしている。

2002年12月14日
八日間つづいた真冬日が、きょうやっとプラスに転じた。
からから陽気だった天気も水曜日に雪が十五センチぐらい降り、どうやらこれが根雪になりそうだ。
この間日中の最高気温がマイナス七・一度という日もあった。
これくらいの気温になると、太陽が少々照りつけても雪は解けない。
車に蹴散らされた雪がそこらに粉となってたまっているだけである。
多摩の雪は湿ってシャーベット状だった。歩くとズボッズボッと靴が埋まった。
北海道の雪は乾いているからそんな音はしない。
踏みつけられても踏みつけられてもキュッキュッと鳴る。
雪といえば雪だるま、というのは本州だけの話。北海道では雪だるまをつくることができない。
フッと吹けばぱっと飛び散ってしまうような乾いた粉だから、雪が固まらないのである。
いくら握り締めてもだんごにならない。
だからそれを転がして雪だるま式に膨らませる、ということができないのである。
ただし雪だるまがないことはない。ときどきは見かける。
それはみな同じ大きさである。なぜかというと、型抜きしてつくっているからだ。
団子をふたつ重ねたような雪だるま用の型枠というのがある。
これに雪を押し込み、押し寿司をつくるみたいにして型抜きしているのである。
 足の下で鳴る雪を踏みしめて歩くのは気持ちがいい。
しかし歩く立場から言えば、へたに気温はプラスになってもらいたくない。
プラスになると当然車道の雪が解ける。
それが夕方になると急速に気温が落ちてきて凍りはじめる。横断歩道がつるつるになるのだ。
年寄りにはつらい季節である。

このページのトップへ        「きのうの話」へ



志水辰夫公式ホームページ